No.17 1999/12/04
エスカレーターでどっちに立つ?

 欧米では、エスカレーターに乗る時に、急ぐ人のために片側を空けるというマナーが古くから定着しているそうです。最近、日本でも、大都市圏ではそのマナーが定着してきました。
 東京やその近郊では、急ぐ人のために右側を空けて、急がない人は左側に立つのが慣習になっています。ところが、大阪では逆です。私は横浜に住んでいますが、大阪へ行った時は、もちろん「郷に入れば郷に従え」で、急がない時は右に立ちました。規則で決められたわけでもアナウンスで呼びかけられているわけでもなく、多くの人が自然に行うようになったものなのに、どうして東京と大阪とで違うのでしょうか。
 このことは、TBS(東京放送)ラジオの「永六輔の土曜ワイドラジオ東京」という番組でも話題になったことがあります。永六輔さんが聞いた話というのが、大阪の人の言い分は「利き手で手すりをつかんだ方がええやおまへんか」というものだったそうです。しかし、私は、その言い分には疑問があります。
 大多数の人は右利きで、利き足も右なので、走っている時に突然真ん前に障害物が現れるという実験をすると、大多数の人は左へよけるそうです。陸上競技でトラックを左回りに走ることになっているのも、右利きの人は左カーブの方が走りやすいからです。
 エスカレーター上で歩かずに片側に立つ時、横をすり抜けていく人が自分にぶつからないかと、人は無意識のうちに警戒します。左側に立っていれば、利き足である右足に力を入れて体を左に倒して避けるか、あるいは利き手である右手で防御することができます。たくさんの人が歩いている所では自然に左側通行になりやすいのも、同じ理由だと思います。つまり、私は、左側に立つ東京流の方が合理的だと思います。

 このことを、あるメーリングリストで話題にしたら、メンバーの一人がこんな推測を述べました。
「武士が多かった江戸では、武士どうしがすれ違う時に、左側にさした刀がぶつからないように、左側通行をしていた。大阪では、別の歴史的な理由で、右側通行の癖があるのではないか。」
私はそれを受けて、なかば冗談でこう推測しました。
「大阪は商人の町だった。商人は利き手の右手でお金を持ち運んだ。だから、すれ違う人にお金をひったくられないように、右側通行をしていた。」
(これは根拠レスですけど。)

 皆さんがお住まいの地域では、エスカレーターで片側を空けるという慣習がありますか?あるとすれば、どちら側を空けて立ちますか?情報をお待ちしています(こちらへ)。もし情報が集まって何かわかったら、またこのコーナーに続編を書こうと思います。

目次 ホーム