No.32 2000/02/05
左足ブレーキ
大学時代、運転免許を取りたがらない先輩が「足は2本なのにペダルが3本なのがけしからんからだ」と言っていました。私が就職後に「ご意見に賛同して、ペダルが2本の車を買いました」と言ったら、「裏切り者」と言われました。(^^);
オートマチック車のブレーキペダルは、幅が広くて、左右どちらの足でも踏めるようになっています(ただし乗用車の場合。ワンボックスカーや大型車では右足で踏むように設計されています)。私は、オートマチック車ではブレーキを左足で踏みます。2本のペダルを左右の足で分担した方がなにかと便利だからです。たとえば…
人の飛び出しに備える時
狭い道で、路地から人が飛び出すかもしれないと予測される時は、左足をブレーキにスタンバイさせながら走ります(もちろん、ブレーキを踏みながら走ってはだめ)。緊急時には、右足をアクセルからブレーキに踏み替えるよりも早くブレーキをかけることができます。
駐車する時
砂利で路面抵抗が大きい場所で駐車する時や、段差を乗り越えて車庫入れする時などには、左足でブレーキを踏んだ方が便利です。このような場合、マニュアル車ならばクラッチで車の動きを微妙にコントロールできますが、オートマチック車ではそれができません。ブレーキをゆるめただけでは動かない時、アクセルで動かしてブレーキで抑えるという操作を右足の踏み替えでやっていては、微妙なコントロールが困難です。アクセルを踏んで、路面抵抗に打ち勝った瞬間に急に車が動き出し、ブレーキに踏み替える暇もなく車体をどこかにぶつけてしまうおそれがあります。右足でアクセルを踏みながら左足でブレーキを踏めば、数センチ刻みの微妙なコントロールが簡単にできます。
左足ブレーキには賛否両論があります。反対意見は、たまにマニュアル車に乗った時にペダルを踏み間違えるおそれがあるというものです。しかし、私は、若いころにはマニュアル車に慣れていましたし、たまにマニュアル車に乗る時は右足でブレーキを踏むように強く意識するようにしているので、踏み間違えることはありません。
左足ブレーキには練習が必要です。ブレーキを踏むことに慣れていない左足で走行中にいきなりブレーキを踏むと、急ブレーキになってしまって危険です。交通のじゃまにならない所で、左足でブレーキを踏みながらクリープ(エンジンのアイドリングによる微速前進)と停止を繰り返して、左足にブレーキペダルの感覚を覚えさせるとよいでしょう。
慣れると非常に便利ですが、たまにマニュアル車に乗る時にペダルを踏み間違える不安がある人は、人の飛び出しに備える時や駐車する時などに限った方がよいかもしれません。
なお、運転方法を変えたことで事故になったとしても私は責任を負えませんので、自己責任でお試しください。